80歳まで踊りたい
70代半ばの女性の患者様のお話です。
当院の患者様の奥様から紹介されて来院されました。
3年前に腰椎すべり症(背骨がずれる病気)と診断されて手術を勧められたそうです。
しかし、それが嫌で痛みとどうにか付き合いながら過ごされていました。
とても活発な方で、痛みはあるもののスポーツクラブで週に4,5回程ダンスをされていました。
しかし初来院の2,3か月前から夕方以降は立っているだけで腰の左側がズーンと重い痛みが出て、その痛みが臀部から股関節までひびくという状態でした。
骨盤や背骨を整える施術をスタートして1週間後の来院時に状態を尋ねると、あまり変化がないということでした。
しかし、質問を重ねていくと以前よりも痛みのない時間が出てきていたりと変化はあるようでした。
質問をされなければ自覚できなかったと仰いました。
そこで、簡単でいいので記録をつけることをお勧めしました。
それ以降、状態の良し悪しを〇✕△に分けて、時間も午前・午後・夜に分けて1週間分記録したものを持って来院されるようになりました。
最初の頃は、午前は〇印でしたが午後や夜は△と✕しかありませんでした。
しかし施術を重ねるうちに午前以外にも〇印が見られるようになりました。
ご本人もそのことを自覚できるため、希望を持てるようになっていると感じられました。
さらに、ダンスや買い物などの後には痛みが出やすいなどの傾向も把握しやすくなりました。
そこで一旦ダンスをお休みして、日常生活で痛みが出なくなってから再開するようにアドバイスをしました。
踊るのが大好きで休みたくないい気持ちが強かったですが、ご自分でも傾向を理解しているので納得していただけました。
その後、日常生活では痛みが出なくなり、ダンスを再開しても日数を抑えて貰って段階的に活動レベルを上げるようにしてもらいました。
もともと身体を動かすのはお好きなので、お教えしたセルフケアの体操もしっかりと行ってもらえました。
初来院から2か月後には✕印は付かなくなり、ダンスも週3回行っても問題ない状態まで回復されました。
回数は増やしたいけど、大事を取って自らセーブをされていました。
「ダンスは生きがいだから80歳まで踊るのが目標」と笑いながら仰っていました。
油断せずにこの調子でいけば十分可能だろうと感じさせる良い笑顔が印象的でした。
いつまでも好きなことができる元気な身体でいたいものですね。