足底腱膜炎との長い付き合い

先月に70代の男性が以前当院の患者様だった奥様に連れられて来院されました。

歩くとかかとが痛むということでした。

痛みが出る前に2週間程、犬の散歩で朝夕1時間ずつ計2時間歩くのを続けていました。

それ以前は朝か夕方のどちらかだけだったのが、奥様が体調を崩したため両方行かれていたそうです。

それがかかとの痛みで行けなくなり、今度は奥様が朝夕散歩をされていました。

痛みが出始めてから10日程して病院にいくと足底腱膜炎と診断されました。

足底腱膜炎とはかかとから足の指の付け根を結んでいる足の裏側にある繊維に起こる炎症です。

そこで「長い付き合いになるかもしれない。」と言われ、痛み止めを処方されました。

しかし薬を飲んでもあまり効かず、日によっては以前より痛みが強く出るという状態が2週間程続いた後の来院でした。

足を見させていただくと圧痛点はかかとの内側の方にありました。

足を閉じて立ってもらうと足首の角度が真っ直ぐではなく、膝で言うところのX脚のように曲がっていて足裏の内側を着いて立っていました。

かかと以外に痛みは無かったですが、お身体のチェックをさせて頂くと左の股関節の可動域が狭く、もも裏やふくらはぎの緊張も左側に強く出ていました。

これはおそらく痛みをかばった結果ではなくて元々体のバランスや歩き方に左右差があり、その状態で負荷が積み重なって左側に症状が出たと思われました。

その旨を説明して施術をスタートしました。

足底腱膜をなめすようにローラー器具で処置をして、骨盤や股関節など体のバランスを整える施術も行いました。

それから、かかとを保護するテーピングと、接地点が内側にならない為の足首へのテーピングをしました。

施術後にセルフケアの指導をさせていただき、その日は終わりました。

お帰りの際に出口まで歩かれていた時に「あれ、痛みが減っている。」と仰いました。

これは接地点が変わったためで、テーピングを取ればまた痛む可能性があるなとは思いました。

1週間後の来院時に尋ねてみると、前回来院時の3割以下の痛みに治まっていました。

前回帰られた時にはまだ8割ほどだったということで、楽になった事を喜んでおられました。

その日の施術が終わり、約1週間後の予約を取ってお帰りになりました。

予約の予定日の2日前に電話があり、「全く痛みがないのでまた症状が出たらお願いします。」と仰って予約の取り消しをされました。

おそらく炎症は残っているとは思いましたが、日常生活に支障なければとりあえずは大丈夫だということで、予想以上の早さでの回復に私も嬉しくなりました。

これ程スムーズにに改善することは多くはありませんが、少しでも増えるようにしたいと思う喜ばしい出来事でした。

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