膝に水が溜まる?
2017年7月14日
膝に水が貯まるってどういうこと?
このような事を患者さんからの言われることがたびたびあります。あなたもきっと言葉は聞いたことがあると思います。
水が溜まるとはどういうことかを先ずは説明します。
膝に限らず、関節は「関節包」という袋状のものに覆われていて、その中に滑液という潤滑剤の役目を果たす液体が入っています。
関節が何らかの原因で炎症を起こすと、それを抑えるために滑液が余分に出て関節が腫れます。
これを関節水腫と言いますが、膝は人体の中で最も負荷がかかるので、炎症を起こしやすく「水が溜まりやすい」関節なのです。
膝が腫れる原因
1.捻挫などの外傷や使いすぎ
捻ることが無くても長時間のランニングや、ジャンプの動作では負担が大きくて炎症を起こしやすい。
2.滑膜包炎
潤滑液である滑液を生み出す滑膜そのものの炎症
3.感染
無菌状態の関節内に、何らかの理由で菌が入り込んで炎症を起こす。
4.腫瘍
稀ではあるが、悪性の腫瘍で腫れが出ることがあります。
他にもリウマチなど様々な原因があります。
膝の水は抜いたほうが良い?
炎症による熱に対する、言わば「火消し」の役割を果たしているので、基本的には抜かないほうが良いです。
もし水が溜まっていまったときは、まずは氷で炎症を抑えることが一番大事です。
ただし膝がパンパンに腫れて曲がらない時は、感染が疑われる場合もあるので、専門医の検査を受けるようにしましょう。
自分で出来る対処法
膝の水が入っている関節包という袋は、膝の前後でつながっているので、氷嚢を使って前後から挟むようにして冷やすのが効果的です。
「冷湿布でもいいですか?」と聞かれることも多いですが、鎮痛成分の薬によって痛みを緩和させるものなのですし、あくまで冷「感」湿布なので実際に熱をとる力はあまりありません。
貼り続けること逆にうつ熱するので、長時間貼りっぱなしにしないようにしましょう。
膝のサポーターも、圧迫によって腫れを抑える作用があるのでお勧めです。
普段から膝に負担がかかり過ぎないように、スニーカーや運動靴などクッション性のある靴を履いて生活しましょう。