交通事故で首が回らない

交通事故で来院された20代男性のお話です。

車で直進している時に、交差点で飛び出してきた車に真横から追突されました。

症状は安静時でも右肩に重みを感じることと、首を動かす際の特に左を向く動作に伴う首の右側の痛みでした。

事故の翌日に痛みがかなり強くなり、その翌日であった当院の来院時には少しは痛みが減っている状態でした。

病院でのレントゲン検査で骨には問題がなかったですが交通事故の怪我、特にむち打ち症状のように頭が衝撃で振られるケースは後々しびれや目まいを生じる事があるので油断はできませんでした。

出来る範囲で首を動かしてもらったのですが、可動域がかなり狭くなっていました。

横を向ける範囲は正常値(90度)の約半分で左を向く際には右側に強い張りが出現しました。

横に倒す動きに関しては、少し可動域が狭まっている程度でしたが左に倒す時にやはり右側に張りが出ていました。

あとは上を向ける範囲も半分以下という状態でした。

触診をしてみると、首の横側にある胸鎖乳突筋という筋肉と肩の僧帽筋という筋肉の共に右側に圧痛がありました。

関節にソフトに圧を加えて動きを良くする施術と、筋肉の緊張をやわらげるために筋線維をなめすようにローラー器具を当てる施術をしました。

首そのものはじっとしていれば痛みはないので、コルセットではなくテーピングでサポートすれば大丈夫と判断しました。

それと炎症を抑える為にアイシングを行い、帰宅後も必ずアイシングをする事や長風呂をしない事など注意点を伝えて初日は終わりました。

この方はだいぶ姿勢が悪く、猫背で首が通常より前に出ていて負担が大きくなっていたので次回から背骨全体にアプローチする必要があると考えていました。

1週間後の来院時に尋ねてみると、右側の鎖骨の辺りが痛むと言われました。

鎖骨の下は首から出た神経が通るので心配しましたが、施術を重ね2週間後の来院時には治まっていて、時期を同じくして肩の重さも消失したので安心しました。

その後も比較的順調に回復していったのですが、右側に振り向く際の痛みだけがややしつこく残りました。

可動域は改善していて、初めに一番痛かった左を向く動作は問題なく出来るのに右側の時だけ少し痛みを訴えるのでした。

車を運転するお仕事だったので、車線変更やバックをするの為に振り向くのが少し辛いと仰いました。

それでも施術と併せて根気よくセルフケアも続け姿勢にも気を付けたので、初来院から2か月以上かかりましたが無事終了となりました。

何より頭痛などの他の症状が出なかったのが不幸中の幸いでした。

交通事故は後遺症に悩まされる事も起こりうるので、皆様もくれぐれも運転には注意をしましょう。

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